園長だより H30年4月
ご入園おめでとうございます
いつもより早く春が訪れて、坂戸幼稚園の園庭はまさに春爛漫。みずみずしい桜の木々の新緑と、八重桜のあでやかな桃色、そして例年は5月に開花して甘い香りを運んでくれる藤の花も加わって、色彩豊かに入園式を迎えることとなりました。
本日、保護者様と坂戸幼稚園の門をくぐられた82名の新入園のお子様方のなんと愛らしいことでしょう。あどけない仕草や表情の上に育ちゆく未来の姿を重ねながら、子どもらしく、自分らしく、地に足を着けて、ゆっくりと豊かにご成長して欲しいと願いました。
沢山の友だち、沢山の出来事、沢山の楽しさを見つけて下さいね。いっぱい泣いて、いっぱい笑って、いっぱい遊んで、自分らしく大きくなって下さいね。
大好きな保護者様とご一緒だから安心して期待に胸を膨らませているお子様も、明日からは一人で“始めの一歩”を踏み出します。不安や戸惑いがあるかもしれません。
けれども大丈夫です。一人ひとり園生活に慣れていくまでの時間は違いますが、必ず自分の力で楽しさと喜びの扉を開いていきます。信じて待ってあげて下さいね。
そうした中で、お子様が一日も早く安定した気持ちを作っていくためのポイントが3つあります。
ひとつ目は「きっかけ作り」です。どのような内容でもいいのです。例えば「Aちゃんの隣の席のお友だちの名前を聞いてきてママに教えてね」や「このタンポポのお花を先生にプレゼントしてね」等とお子様が園に行く目的になるような言葉を掛けてあげて下さい。
ふたつ目は、「あれこれ尋ねないこと」です。保護者様には見えない園生活でのご様子はとても気になるかとは思いますが、「今日はどうだったの?」「お友だちと遊べたの?」「何したの?」と矢継ぎ早に尋ねられるとお子様はやっぱり苦しくなってしまいます。楽しさや嬉しい出来事が増すにつれて、お子様はご自分からお話をしてくれるようになります。待ってあげて下さいね。
最後は「お母様の強い心」です。お子様のご様子にお母様も心が揺れて一緒に泣きたくなってしまってもグッと我慢ですよ。お母様の不安や心配はやはりお子様に伝わってしまいます。笑顔いっぱいに「行ってらっしゃい!」「お帰りなさい!」と言葉を届けてあげて下さいね。
ご進級おめでとうございます
春香る晴天に恵まれて始まった在園組の新年度。登園してきてくれた子どもたちを園庭と玄関で出迎えました。一人ひとりの表情は様々で、「おーっ、遊べるぞ」と嬉しさいっぱいの子もいれば、胸の鼓動が聞こえそうなほど緊張した面持ちの子、涙をホロリとこぼしながらの子もいました。「あぁ、みんな大きくなるために頑張っているのね」と胸がキュンとなりました。
そうした子どもたちですが、園舎に到着するやいなや「あれ、どこどこ?」「えっ、どうするの?」と自分の心配や緊張にばかり構っていられなくなるのです。だって、靴を入れる下足箱の場所探しから始まるのですもの。「私のマーク何だったかな?」「梅組の場所ってここかな?」「お部屋、2階でいいんだよね?」そうです。新しいことがいーっぱい待っているからです。
もちろん沢山の言葉を掛けますし、時にはその場所をじっと見つめながら「園長先生、もう見つけちゃったぁ」とヒントを出しつつ、できるだけ子ども自身が探し出したり動き出せるようにと心掛けていきます。
「もうできるよね」とか「やりなさい」ではなく、何かを自分ですることで心配も不安も和らぎ、新しい生活に飛び込んでいく勇気や自信が湧いてくるのを知っているからです。
新しい自分のクラスの扉をくぐれば、担任の先生が「A君、おはよう」「来てくれて嬉しい」と満面の笑顔で出迎えてくれます。園服にピカピカの名札を付けてもらって、「よろしくね」とご挨拶。そして次はまたまた園服を掛けるフックや自分の席の場所探しが始まります。
始業式に集まった子どもたちに「新しいお友だちを沢山作ってね。やってみたいこと、好きなことをいっぱい見つけてね」とお話ししました。「すいれんA組さん」「ハーイ!」「梅組さん」「ハーイ!」と自分の新しいクラスを呼ばれた時の表情は自信で満ちていました。そして、練習した新入園児さんへプレゼントする「勇気100%」の歌声は清らかにホール中に響き渡り、私の胸は「あぁ、みんな大きくなったのだな」と感動で震えました。
坂戸幼稚園の子どもたちと保護者様の幸せを一番に願い、子どもが子どもらしく育つために、保護者様と共に歩ませていただきたいと思います。今年度もご支援とご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
園長 浅見 美智子